【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
それ以来、着てない。
昔のことを思い出すとまだ少し胸が痛むけど、もう前みたいに泣きたくなったり苦しくなったりはしなくなった。
それは少しずつ、木村君と打ち解けてきた……からなのかな。
私に構わないでとどれだけ態度に出しても、木村君はそれを聞き入れてくれないから、もう諦めた。
いたずらに人を避けることも、本当はしたくないし。
クラスメートとして最低限の会話くらい、するのが普通だよね。
そう、それだけ。
木村君と喋る理由なんて、それだけだよ。
だから。
── 「恵梨ちゃん何回か木村君の事気にしてたもんねー!」
──「うんうん、時々上の空でさ!」
──「二人とも仲いいんだね!」