【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
私の事、簡単な女だって嘲笑ってたんじゃないの。
今さら好きだとか言って、私のこと混乱させて何がしたいの。
でも、面と向かって話すのは怖い。
「……っ、」
「沢森さん?本当に大丈夫?」
具合悪くなっちゃった?って優しく背中を撫でてくれたクラスメイトに私はただ、首を振ることしかできなかった。
『ではこれから第45回、東雲祭を開催します!』
朝10時、そんな放送と共についに文化祭が開始した。
この学校では昔から東雲祭として楽しんでいるらしく、今年が45回目。
今朝まで、初めての行事だから少しワクワクしてたのに。
今はもう、帰りたくて仕方ない。
さっきの木村君の表情が、脳裏に焼き付いて消えてくれない。
怒ったのかな、とか。もう私の事嫌になったのかなとか。──そんなことばっかり考えちゃう自分が嫌で。