【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
最後に滑川さんはそう呟いて、一人でどこかに行ってしまった。
可哀想、って……。
「わけ、わかんないよ……っ」
頭ん中ぐちゃぐちゃで、何も考えられない。
ただ、胸が苦しい──。
それからは、人気のないところで時間を潰して、シフトの交代の時間になってから教室に戻った。
そっと教室に入ると、人だかりが出来ていて。
その中心にいるのは、木村君だった。
「ねー君カッコイイね〜!」
「一緒に写真とろうよー!」
「てか、この後暇なら私達と回らない?」
主に先輩の女の人を中心にして、そんな風に騒がれてる木村君は少し困り顔。
でも先輩だから無下にすることも出来ないのか、「あー……えっと」なんて言葉を濁しながら対応していた。
……やっぱり、モテモテだ。
それに皆、綺麗な人達ばかりで。