【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
そう言ったのは昴で、岩ちゃんというのはもちろん、岩崎のあだ名だ。
こんな鬼みてえな奴をそんなあだ名で呼べんのは、昴くらいのもんだろう。
「こいつ、よりによって俺様が教えてやってる英語で中間、赤点取ったんだよ」
「赤点じゃねえだろ!34点だからギリセーフだろ!」
すると、バカ野郎!と拳骨が落ちてきた。
「30も34も変わんねーだろうが!!お前な、期末でもそんな点数とったら停部だかんな!」
「はあ!?」
「よりによって俺の教科でそんな点数取るとは俺への宣戦布告か?あん?」
停部とかぶさけんなよ!と思ったものの、上から青筋を浮かばせながら睨まれてはもう何も言い返せなくて。
......逃げ回ったツケが回ってきた。
「だから俺がマンツーマンで補習してやるって言ってんのにこいつ、俺から逃げまくんだよ」
「......誰でも嫌がんだろ」
「なんか言ったか?」
「いえ、何も。」
そう、岩崎の言う通り、期末まであと二週間を切った。
文化祭が終わってからの時間の流れは早くて、すっかり外は冬景色だ。