【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー




部活は楽しいから好きだし。


「おら、昴いくぞ」


俺は鞄を置き、マフラーとコートを脱いで、バッシュの入った袋を引っ掴んだ。


──そして、テスト一週間前。


今日から部活も停止期間に入り、本格的に勉強ムードが始まる。


実のところ、勉強する気なんて全然起きないが、それでまた英語でしくじったら後が怖い。


「あれ理貴、帰らねーの?」

「俺、ちょっと図書室で勉強してから帰るわ」


放課後、昴にそう言ってから図書室に向かう。


家で勉強したって別に支障は無いんだけど、図書室の落ち着いた雰囲気の方が俺は好きだ。


ガラ、と引き戸を開けると、誰もいないと思っていたそこには思いがけない人物がいた。



< 235 / 310 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop