【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
次第にその声は、嘲るような口調に変わって。
「ひけ目を感じるってことは何かやましい事でもあんの?」
思っても見なかった言葉に、私は思わず目を見開いた。
やましいことって、そんな。
そんなのあるわけないのに!
「俺とやましい事、したいの?」
「違います!」
馬鹿にするような声が腹立たしくて、悔しくて反発的に叫んでから──しまった、と思った。
「じゃあやっぱ、問題ないよな」
だって目の前で、それはそれは爽やかに木村君が笑っていたから。
騙された、とは思ってももう遅い。
こうして私は、木村君との勉強会を続行することになってしまったのだ。
それから2日ほど経ったある日。
いつものように木村君と勉強をしながら、ふと、慣れって怖いなあと思う。