【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「確かに、お前に告白したのは、俺がゲームに負けたら、他の奴らがお前に告白しろって言ってきたからだ」
「……っ、」
ずき、と胸の奥が痛む。
やっぱり聞きたくない。なのに私の手を掴む木村君はそれを許してくれない。
「けど、俺はもうきっとその時から、沢森が好きだった」
え……?
「最初は断ったんだ。あの時の俺にとって、沢森は仲のいい友達だったから。そんなことできないって。でもごめん、売り言葉に買い言葉で乗せられて、沢森も俺のことなんかなんとも思ってないだろうと思って、……告白した」
ゲームだったのは本当。
嘘の告白だったのは本当。
でも木村君は、乗り気じゃなかった……?
それにその時から、私を好きだった?
ダメだ、混乱してきた。
「あの時の俺は、沢森に対しての気持ちを友情だと思ってたけど今ならわかる。……初めて喋った時からもう、きっと惚れてた」
じゃなきゃ、騙したまま付き合ったりなんかしねえよ、と自嘲気味に呟いた木村君。