【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
なのに逃げなかったのは、沢森だ。
……そんなん、ちょっとはこっちに気持ち傾いてるのかなとか、期待すんじゃん。
「今日からやっと部活出来るな!部活いくだろ?」
「行く」
英語も、沢森が教えてくれた甲斐あってか、85という高得点を叩き出した。
岩崎に、頭でも打ったのかと失礼な心配もされたくらいだ。
ま、これで岩崎との補習は逃れたな。
だがしかし、これで安心して部活に臨める──というわけでもなく。
懸念材料は、まだまだ残ってる。
それはもちろん沢森の事とか、土屋の事とか。
沢森を取り戻したいけど、無理強いしたいわけじゃない。
綺麗事だなんてわかってるけど、もうあいつが泣くところは見たくなくて。
とりあえず今は、沢森にまっすぐ好きだと言えたから、よしとしよう。