【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
部活に行くと、岩崎が俺のことを待っていた。
「よお、よかったな、補習免れて」
「俺の本気なめんな」
んべ、と舌を出してそう言うと、生意気なんだよガキ、と頭を叩かれる。
それから岩崎は、ニタリとした笑みを浮かべた。
ぞっとしてその場から逃げようとしたけど、首根っこを猫みたいに掴まれて逃げられない。
「なんだよ!離せよ!」
「いやあ、本当によかったなあ?」
「っ、何がだよ!」
「好きな女の子、抱きしめてキスまでしてよ」
「……っ!?」
耳元で小声で言われたセリフに、かあっと、体が熱くなる。
こ、こいつ……!
「また覗き見かよ!趣味悪い!」
「俺の見回りの時間を狙ったようにいちゃこらしてるお前らが悪い」
見せつけてんのか、と不機嫌そうに吐き捨てる岩崎は、そうえばこの前恋人と別れたとかいう噂が流れてきてた気がする。
まあそんな地雷踏むような質問、しないけど。