【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
両肩を掴まれてガクカクと揺さぶられて若干酔いそうな勢いだ。
「ちょっと落ち着け昴」
「むしろなんで理貴はそんな落ち着いてられんの!?」
その冷静さがスタメンの秘訣なの!?とか訳のわからないことをまくしたてる昴。
俺だって驚いてんだよ、これでも。
「大会つっても、そんな大きな大会じゃねえし……」
「でも一年で唯一だろ!」
バスケ部はそれなりに人数も多く、スタメンは常に上級生で占められている。
三年が夏に引退した今、スタメンはいつも2年生でいっぱいだ。試合に出られない2年生だって、居る。
そんななかで貰えたスタメンの枠のひとつは、大きい。
──失敗は、許されない。
「昴。俺今日から自主練するから、放課後先帰ってて」
「部活でこんだけやんのに!?」
オーバーワークになるぞ、と焦る昴に苦笑いする。