【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「俺の限界は俺が知ってる」
自分の限界は──自分で、決める。
岩崎のあの不敵な笑みは、きっと俺への挑戦状。
俺がどれだけ動けるのか、その大会で見るつもりなんだろう。
……やってやろうじゃん。
「お前の予想を越えてやるよ」
俺は静かにそう呟いて、練習をはじめた。
宣言通り、部員が帰ってからも一時間半ほど体育館に残って自主練をしていた俺。
時計を見ると、もう少しで長針が8を指すところだった。
「そろそろ帰るか……」
腹も減ったし、とぐうぐう煩い腹の虫を押さえ付けつつ立ち上がり、体育館の電気を消す。
窓よし、ボール片付けよし、電気よし。
一つずつ確認してから、体育館に鍵を閉めて校舎内に入ったとき。
「あ」
「え?あっ、木村君」