【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
すると沢森は、少しムッとしたような顔をする。
「こういうの苦手なんですっ」
ぷい、とそっぽを向いた沢森。
……なんだそれ。可愛すぎだろ。
唇を尖らせる沢森が可愛くて、可笑しくて、思わず小さく笑ってしまった。
「ごめんって。拗ねんなよ」
「す……!?拗ねてないですよ!」
もう、と呆れる沢森が可愛い、愛しい。
好きだ。
「……木村君は、こんな遅くまで部活だったんですね」
「あー、まあ、自主練してたから」
「一人でですか?」
「そう。大会も、近いし……俺さ、スタメンに選んでもらえたんだよね」
スタメン?と首をかしげる沢森に、最初から試合に出る人、と説明する。
「一年で選ばれたの俺だけだし、足、引っ張りたくないから」
自分なりに頑張ってんだよね、と言うと、沢森は微笑んだ。
「すごいですね……さすがです。木村君なら大丈夫だと思います。……なんで、とかはわからないんですけど」