【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
そんな気持ちを悟られるのが怖くて、私は渓斗君の目をまっすぐ見ることが出来なかった。
「もう渓斗君……公衆の面前でこんなこと、」
「だって、すごい久しぶりの恵梨だから」
会いたかった、と耳元で囁かれて切なくなる。
私も、と返した言葉は掠れていた。
「ほんとはもっとイチャイチャしたいんだけど……」
「い、イチャイチャって!」
何言ってるの!と言うと、ははっ、と悪戯っぽく笑う。
そして渓斗君は、私の手をぎゅ、と握った。
「せっかくのクリスマスだしな。どっか行こう」
って言っても、こっちのことはなんもわかんないんだけど、と苦笑いする渓斗君。
「じゃあ、映画観に行こう!ちょうど見たいのがあるんだ」
「へえ、なんて映画?」
「デッド・オブ・ザ・ワールド」
「……相変わらず、見た目に反してそういうの好きだよな」
見た目に反して、っていうのはよくわからないけど、恋愛ものよりはホラーやアクション系が好き。