【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
具合悪いのかなって心配になっただけ、と慌てたようにいう渓斗君。
「あ、そうだ、これ!」
渓斗君は取ってつけたような声を出すと、鞄から長方形の箱を取り出す。
シンプルにラッピングされたそれを、私の前に置いて微笑む渓斗君。
「クリスマスプレゼント」
「ありがとう……」
それを受取りながら、開けてもいい?と聞くと渓斗君は頷いた。
しゅるりとベージュのリボンを解けば、中から出てきたのは腕時計。
「可愛い……」
文字盤にストーンが埋め込まれていて、光に反射してキラリと光った。
「この前街で見つけてさ。似合いそうだと思ったから」
それ貸して、と手のひらを差し出され、そこに腕時計を乗せると、渓斗君が私の左手を少し引っ張った。
そして、腕時計を着けてくれる。
「……やっぱり似合う」