【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
恐怖*.・

└恵梨side*.゜






ゆらり、ゆらり。


君のことになると、自制がきかない。






「倒れた、って……?」


突然言われた言葉は、受け入れるにはあまりにも唐突すぎて、呆然と聞き返すことしかできない。


渓人君も突然の事に驚いているのか、目を見開いて立ち尽くしていた。


「近所のスーパーに出かけていたらしいんだけど、歩道橋を渡る時に階段を踏み外して落ちた男の子を庇ったらしくて……。支えきれなくて理貴君も落下して、頭を強く打ったらしい」


まだ目を覚ましていないらしいんだ、と呟くお父さんに動揺を隠せない。


なにそれ。

いきなりそんなこと言われても、訳分からない。


だってほんの一週間前に、笑顔を見せてくれてたばっかりなのに。


試合でスタメンに選ばれたんだって。


嬉しそうに、話してくれてたんだよ?




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