【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
それに、終業式の時もちゃんと居た。
友達と楽しそうに話してた。
……なのに、目を覚まさない?
子供を庇って自分も落下なんて、理由が木村君らしすぎるよ……。
「優しすぎ、だよ」
ポツリと呟いた声が震える。
木村君に何かあったという事実が酷く恐ろしくて、震える。
木村君の笑顔が頭の中でフラッシュバックして──弾けて消えた。
「俺と母さんはこれから理貴君のお見舞いに行こうと思うんだけど……」
お父さんはそこまで言うと、渓人君の様子を窺った。
多分、恵梨も一緒に行くか?って言いたいんだと思う。けど渓人君がいるから気を使ってるんだ。