【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
なあ、沢森。
なんで沢森、そんなに綺麗になったんだよ?
……お前を綺麗にさせるような奴が、向こうでいたのか?
……つっても、沢森が九州に居たのってほんの数ヶ月だよな?三月に越していって、七月になる前には戻ってきたんだもんな。
そんなペースで転校してたら、内気にもなりそうだよな……。
「なあなあ理貴」
ふと、昴に声をかけられて、俺は昴を見上げた。
「なんだよ?」
「……理貴ってもしかして、恵梨ちゃんのこと好きなの?」
「……!?っげほ、おま、いきなり何言い出すんだよ……!?」
突然真顔でそんなことを言い出すから、思わずむせてしまった。
しかもいつのまに沢森のこと、恵梨だなんて呼ぶようになってんだよ!!
「違うの?」
「……いやなんでそう思ったんだよ?」
ちがくはないけど、なんて言えず、はぐらかすようにそう訊ねてみた。