【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー




……なんだ。なんか、すげー可愛いんですけど。


俺の知ってる沢森はいつも素直で。だからこんな風に素直じゃない沢森を見てると、俺の悪戯心が刺激されるというか……。


……って、何考えてんだ俺。


「俺が案内してやるから、一個貸せよ」


沢森の両手いっぱいに握られてる二つのゴミ袋を見ながら手を差し出す。


「いいです。自分で持ってくので、口頭で説明して下さい」


……可愛くねえ……。


「いいから貸せって」

「あ、ちょっと……!」


強引にゴミ袋を一つかっさらって、ゴミ置き場へと進む。


ほんとは二つとも持ってやってもよかったんだけど、そしたら絶対こいつ「じゃああとはお願いします」とか言って俺に任せる気がしたからやめた。


「ゴミ置き場はここ」


外に出て暫く歩いた、小さな倉庫の所で立ち止まる。




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