【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
「理貴(りき)ーっ!聞いたぞお前ーっ」
次の日、いつものように登校して席につき、イヤホンで音楽を聞きながら机に突っ伏していたら、突然そんな声と共に、背中に衝撃を受けた。
「うおっ……!げほっ……おま、何すんだよいきなり……」
どうやら背中を思いきりたたかれたらしく、俺は盛大に噎せながら、俺の事を叩いた主を見上げた。
俺が見上げた先で、へへっ、と屈託なく笑っているのは、親友の遠山昴(とおやますばる)だった。
高校で出会ったばかりの奴だけど、すげー気が会う。かなり明るい茶髪に、軟骨の方にまで付いたピアスは昴をチャラくみせるけど、実際は全然そんなことない。
「いきなり背中叩くなよ、昴」
「だってそうしないと理貴、気づいてくれないじゃん?」