【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
次の授業ってなんだっけ?的なノリでそんなことを言い出した滑川。
「いきなりなんだよ……」
「え、だって知りたいじゃん?」
「……秘密だよ」
そういうと、えー、けち、と拗ねる滑川。
……そんなホイホイ言えるかっつーの。
「でもまあとにかく、応援してるから!」
「え?」
「木村君とその子が上手くいくように、応援してるから!」
応援……?
だって、滑川、俺のことが好きだったんだろ?いや、自意識過剰とかじゃなくて、昨日確かに俺は滑川に告白されたのだから。
なのに応援、なんて。
俺が放心してるのに気付いたのか、滑川は眉を下げて笑った。
「……確かに、木村君のことを完璧に吹っ切れた訳じゃないよ。昨日の今日で、それは無理だけど……」
「滑川……」
「でも、昨日思ったんだ。好きな女の子に一途な木村君が、すごい好きだって。だから応援するの。木村君に、幸せでいてほしいから。……私の好きな木村君で、いてほしいから」
──純粋に、すごい、と思った。