【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
首を傾げながら、少し拗ねたようにそう言う昴。
いやまあ、確かにそうだけど……。
でももっと、力加減とか考えろよ……。なんて昴に言っても無駄なことはもう学習済みだから、言わない。
「で?聞いたぞって、何をだよ」
イヤホンを外しながらそう尋ねると、昴はニヤリ、と笑った。
「昨日、C組の鳴瀬(なるせ)ちゃんにコクられたらしいじゃんかよお前!やるなー!」
「……鳴瀬?」
誰やねん、と考えてから、ああ、と一つの考えに至る。
俺に告白してきた奴、鳴瀬って名前だったのか……。
「C組のマドンナ、鳴瀬ちゃんに告白されるなんて羨ましすぎる!!くそっ、リア充め!」
本気で悔しそうにしている昴を呆れたように見る。
「……俺、断ったけど」
「そうかそうか断っ……はぁ!?!?」
「うるさい」