【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
その様子に、唖然とする。
怯えられてるとは思ってたけど、ここまでとは──……。
沢森にこんなにも恐怖を植え付けたのは……俺、なのか?
「沢森……」
「帰ってください……」
「俺……」
「帰ってください!」
悲鳴にも似たその声に、胸が鋭く痛む。
若干涙混じりの声に俺は、何も言えなくなった。
「……わかった。でも、これだけは言わせて」
「……聞きたくないです……」
「好きだ、沢森」
そう言うと同時に、大きく見開かれた沢森の瞳。
「今も昔も、沢森だけが好きだ」
俺は、それだけ伝えて、その場から去った。