【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
あの日から──好きだ、と伝えたあの日から、沢森は俺と目を合わせようとしてくれない。
そりゃ、受け入れてもらえるなんて虫がいいことは考えてなかったけど、ここまで徹底的に避けられると辛い。
……まあ、自業自得だけどな。
勿論俺も、このまま終わらせるわけもないけど。
「なあなあ、帰りなんか食って帰らねー?」
「悪い昴……ちょっと用事あっから、先帰ってて」
「お、おう……?」
急にやる気を出した俺に首を傾げながら、昴が手を振る。
俺は鞄を引っ付かんで、帰り支度をしていた沢森の元へと寄った。
「……、沢森」
後ろから声をかけると、びくりと肩を跳ねさせる沢森。