【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
露骨に顔をしかめた俺に、昴は目を見開いて、口をぱくぱくと閉口させる。
それから、俺の両肩をがしりとつかんで、前後にゆさゆさとゆさぶった。
「なんでだよ!!男なら一度は付き合いたい女子代表の鳴瀬ちゃんだぞ!?」
「大袈裟だろ」
別に、ちょっと顔が可愛いくらいで、性格はそこまで良さそうでもなかったし。
「ま、まさかお前……」
「……なんだよ」
「実は、ホモ?」
「……殴っていいか?」
真剣な顔をしてそんなことをいう昴を睨んでそう言うと、昴は苦笑いしながら後ずさった。
……後ずさるくらいなら変なこと言うんじゃねえよ。
「だってお前、モテるのに全然彼女作らねーんだもん」
俺は告白すらされないのにー、と拗ねたように唇を尖らせる昴。