【完】恋愛距離*.゜ーボクラノキョリー
卒業式に私が居ないこと、木村君はどう思うかな?
それとも、居ないことにすら気付かなかったりして、なんて自虐的なことも考えてみる。
新しい学校に行くのは慣れているけど、それでも不安だらけだ。
上手くやっていけるかな、とか、緊張で自己紹介噛んだらどうしよう、とか。
でも、前までは木村君と離れることが嫌で嫌で憂鬱だった引っ越しも、今では癒しになっている。
もう傷つかなくていい。苦しまなくていい。
そう思うと、これからの生活に期待も寄せられた。
新しい高校は、一言で言えば成功だったんだと思う。
暖かく迎えてくれたクラスメイト。
皆、高校だからお互い初対面で話しかけにくいと思うのに、関東から引っ越してきた私を気にかけてくれて。
優しい人たちばかりだったから、私も笑って過ごせた。