ワケあり地味子と全国No.1暴走族?!Ⅰ
紗那side~
理沙が俺を庇って撃たれた。
その後はどうなったか記憶があいまいだ。
ただ、皆が我を忘れたように相手を殴り続けた。
ババァや爽さんが止めにくるまで。
狂った獣のように。
学さんや聖さんは救急車を呼び、その車に乗ったそうだ。
俺が、余所見なんかしてたからっ!
俺らはバイクをぶっ飛ばし、こんな時なのに追いかけてくるサツを巻ながら病院に向かった。
病院内を走り、集中治療室の前にきた。
赤のランプがついている。
学さんはだれかに電話していて、聖さんは行ったり来たりして、いろんな所を壁にぶつけていた。
皆が落ち着かない様子で赤いランプが消えるのを待った。
その時、
ここにやってきた若い男女。
誰だ?どっかでみたことの有るような……
「父さん。母さん。やっときた。」
「学!!!理沙はっ?」
父さん。母さん。
きっとこの人達が理沙の両親なんだろう。
「すいませんでした!!!
俺が余所見なんかしてたから。理沙が!」
俺は深く頭を下げた。
勿論、これで許して貰えるとは思わない。
自分の娘が死の危機なのだから。
そう、思っていたのに。
「頭、あげていいよ?紗那くん。」
理沙の母親がそういい、
「理沙が自分の意志でしたことだからな。
君を攻める気はないよ。」
と父親も言った。
「それに、王希組次期組長がこんなに弱っちゃダメでしょ。」
へ?なんでおれが次期組長だってこと…………………。
「何で知ってるんだ?って顔してるな。
それは、俺が結城組組長で、理沙が次期組長だからだよ。」
はっ?
理沙が結城組次期組長?!
あの世界No.1の?