ダウトゲーム【更新中】

「遅いー!昼寝でもしてたの?」

「いや、トイレ入ってたからすぐ出れなかったん、ダヨ。」



男物の黒いコンバースがチラリと見え、

慌ててそれを踏みつけ証拠隠滅し

風香を招き入れた。



スキニーのダメージデニムにバスクシャツを合わせ

春色のカーディガンを肩に引っ掛けた風香は

本日も間違いなくお洒落さんだ。




「……?誰か来てたの?」

「ふぇ?!」



リビングへ入るや否や

ローテーブルの上のアイスの残骸とコントローラーを見て不思議そうに呟く。



「や!違う違う!違うよう!

朝と昼で二つ食べたの!」



慌てて残骸達をゴミ箱へシュートする。









「……じゃあ、玄関の男物の靴は?」







バレテーラ。






アタシの浅はかな嘘はものの見事に引き千切られ、

風香の劈くような視線が只々痛い……








カタンーー



!!?



キッチンからの物音に反射的に体が動く。





ーー奴が静かに引き戸を開いてしまった音である。




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