ダウトゲーム【更新中】
「……」

「……」

「……」



発する言葉が浮かばぬまま

恐る恐る、目配せをすれば



ただでさえデカイ目を更に大きく見開いている風香

と、

伏し目がちに目線を床に向けて佇む右崎

が交互に映る。





暫しの沈黙。





を最初に破ったのは右崎で、



「ねぇ、これトイレ行きたくなったらどうすんの……」



淡々と曰ったかと思えば

何事もなかったかのようにキッチンから出て来てしまった。





「ちょ、何で勝手に出てきちゃうかな……」


慌てて駆け寄るアタシの言葉なんかは思い切りシカトされ



「てかさ、遅かれ早かれバレるんだからいいよ」




「ちょ……」

「……」

「羽鳥さん、吃驚させてごめんね

俺はもう出てくから、

あとは二人でごゆっくり」




ゆるり、と



背筋を凍りつかせるお得意の微笑に、流し目というオプションを携えて


アタシ達の前を通り過ぎて行く。





アタシも風香も

金縛りにあったかのように

その光景を呆然と眺めていると、








「ハナ!」







突然呼ばれた名前に

ビクリと肩を揺らしたアタシは

咄嗟に玄関へと走った。

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