ダウトゲーム【更新中】

「だって、どうでもいい人に告白されるのって面倒じゃない？」


形の良いアーモンド型の奥二重を細めながら

優しく、微笑み返された。



「アタシだって面倒だよ…

昼休み短くなるわ、放課後も足止めされるわ……」



校内の告白スポットを網羅出来そうな勢いである。



「告らせなければいいだけなのに。

華ってそういうとこ、不器用よね」


そんな技があるんかい。


「何それ？どうすりゃいいの？」


パシッと風香の手を掴んだ。

風香がその手を握り返す。



「うん、不器用だよね」

「全っ然、答えになってないけど！」

「いっそ彼氏作って守ってもらえばいいじゃない」

「あぁ！もう！それが出来ればやってるわ！」



握り返された手を振り払い

弁当を頬張った。


風香は楽しそうにニコニコとしており、表情を崩す気配がない。


"告白させない"


――どうやら不器用な人間（＝アタシ）には繰り出せない技らしい。



変な称号とか

見た目が派手だからとか

そんなものだけじゃないアタシに興味を持って欲しいのに……



「このままじゃ、アタシは男性不信に陥って一生恋も彼氏も結婚も出来ずにバリバリキャリアウーマンになって最後は自分で稼いだ金で高級老人ホームに入って地元の小学生達に千羽鶴とか貰っちゃって一人逞しく生きてくことになるんだよ……」


「この歳で老後ー？」


風香が笑いながら答えた。