ダウトゲーム【更新中】
気が付いたときには時すでに遅し。
昼休みの中庭へ注がれる視線が明らかに増えていた。
我々同様に中庭でランチをしている生徒達はもちろんのこと、
本校舎のベランダから野次を飛ばす男子生徒達や
渡り廊下から黄色い声を挙げる女子生徒達が
この偽装バカップルのやりとりをやんややんやと見ていたのである。
ふと我に返ったアタシ達。
あれだけ甘いフェロモンを惜しみなく垂れ流していた右崎は
「無理があるな」
急に真顔に戻り、平然と曰った。
「オイオイオイ、散々やらせておいて一人だけ現実世界に戻らないでくれない?」
一応、ギャラリーに気を使って小声でやりとりをする。