ダウトゲーム【更新中】
そう、
それは今朝の登校時間のことだった。
見慣れてきた気怠げな雰囲気の、
隣を歩く男がこう言った。
「あ、そうだった」
「え、なに?」
さらりと、
「今日は一人で帰って。」
「あれ?早くもルール破ろうとしちゃってるよ、この子……」
さも当たり前かのようにルール違反をしようとしてくる右崎に嫌味を返したのだが
ルールはあくまで原則であってこれは例外。
と軽くあしらわれた。
まあいい。
そっちがそういうスタンスならば
今後、アタシも気兼ねなく"例外"を使えるのだろう。
そう思い、特に深く追求することもなく、学校へ到着し、慣れてきた学校生活をつつがなく送り、あっという間に放課後がやってきた。
SHRが終わり帰りの支度をしながら、
前の座席の風香に声をかけると
絹のような黒髪をさらりと揺らして振り返る。
「風香ー、今日一緒に帰らない?」
「珍しいじゃない、王子はどうしたの?」
王子とか言われてるよ、右崎(笑)
「あー、今日は帰れないみたい。」
「そっか、じゃ一緒に帰ろ帰ろ♡なんならファミレスでも寄ってかない?」
「いいね、駅前のとこでいい?」
「あそこの新メニュー気になってたの♡」
「なになに?俺も一緒に行きたーい♡」