ダウトゲーム【更新中】
2年A組26番 羽鳥 風香(はとり ふうか)

同じく27番 華井 小夜(はない さよ)

そして28番 飛騨 利人(ひだ りひと)

アタシ達3人は

この4月のクラス替えで同じクラスになり

偶然にも、出席番号が繋がっているのである。


席は、教室の真ん中より少し廊下側の後ろ三つ。

人見知りな自分だが、ヒダリ君の人当たりの良さもあり

クラス替えから1ヶ月が経とうとしている現在では

大分打ち解けていた。



「オレ、告白はほとんどされないよ」

「え?」


タオルの隙間から、ニヤリと悩殺級のスマイルを見せて平然と曰う彼。

毎日ファンクラブ(本人公認)が取り巻いてるのに!



「オレのファンクラブの規則第一条には"皆のヒダリ君"があるからね

――抜け駆けは禁止

だから告白はされない」

「へぇ~、さすがヒダリ君」

コラーゲンドリンクを飲みながら風香が感心したように頷く。


「何それっ ずるくない…?」

絶賛アホ面継続中だったアタシは、そのまま声を零した。



「ずるくないっしょ

ファンクラブを認める代わりに規則をつけてもらってんだから」

「ハナちゃんもファンクラブ、公認しちゃえよ

悪いもんじゃないよ?」

「うぅ……それは嫌だ……」



実は

アタシにもファンクラブっていうやつが存在する。

……らしい。



『ミスコン優勝者にはファンクラブ運営委員会が発足される』

――なんていう本人の意思100%シカトな副賞である。



隠し撮り写メや、例のアドレス入手もここが根源ではないかと思われる。


そんな行為が気味悪くて、

アタシは見てみぬ振りをしているのだけれども。
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