ダウトゲーム【更新中】
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教室ほぼ中央。
後ろから2番目の席から眺める4限目の教室は
いまが授業中であるにも関わらず
机や椅子を移動させるクラスメイト達の姿が映し出される。
ノートを拡げて一生懸命に問題を解く者もいれば
携帯片手におしゃべりをする者もいる。
テスト期間中ということもあり
現在の2年A組は『自習時間』なのである。
前方の黒板にでかでかと書かれたその文字を見つめていると、
視界が何かに遮られた。
「ねえ、トランプしない?」
ひょっこりと顔を覗かせた風香。
彼女の色白の手指にはスタンダードな赤いトランプが挟まれている。
「別にいいけど、一応、テスト期間だよ?」
「いつも真面目に授業受けてるんだから、大丈夫でしょ?」
「まあ確かに……」
アタシも風香も、テスト期間だからって慌てて勉強をするようなタイプではなく
自宅で毎日コツコツ勉強する割と優等生タイプなので
今回のテストも大事には至らないはずである。
とはいえ、ヒダリ君や右崎のように学年トップクラスとまではいかないのだけれども。
「なにしよっかー?」
スタスタスタと鮮やかにトランプを切りながら
目線を斜め上にして思案するような仕草をする風香は
閃いたようにアーモンド型の黒目がちな瞳を細めて口角を上げたかと思えば
アタシの後ろに声を投げた。
「ねえねえ、利人!ミギ君!一緒にトランプしない?」
教室ほぼ中央。
後ろから2番目の席から眺める4限目の教室は
いまが授業中であるにも関わらず
机や椅子を移動させるクラスメイト達の姿が映し出される。
ノートを拡げて一生懸命に問題を解く者もいれば
携帯片手におしゃべりをする者もいる。
テスト期間中ということもあり
現在の2年A組は『自習時間』なのである。
前方の黒板にでかでかと書かれたその文字を見つめていると、
視界が何かに遮られた。
「ねえ、トランプしない?」
ひょっこりと顔を覗かせた風香。
彼女の色白の手指にはスタンダードな赤いトランプが挟まれている。
「別にいいけど、一応、テスト期間だよ?」
「いつも真面目に授業受けてるんだから、大丈夫でしょ?」
「まあ確かに……」
アタシも風香も、テスト期間だからって慌てて勉強をするようなタイプではなく
自宅で毎日コツコツ勉強する割と優等生タイプなので
今回のテストも大事には至らないはずである。
とはいえ、ヒダリ君や右崎のように学年トップクラスとまではいかないのだけれども。
「なにしよっかー?」
スタスタスタと鮮やかにトランプを切りながら
目線を斜め上にして思案するような仕草をする風香は
閃いたようにアーモンド型の黒目がちな瞳を細めて口角を上げたかと思えば
アタシの後ろに声を投げた。
「ねえねえ、利人!ミギ君!一緒にトランプしない?」