ダウトゲーム【更新中】
「そう、ちょっとイケメンに甘噛みされちゃった的な？」


「……なに一人でぶつぶつ言ってんの」



すっかり定番と化した二人で歩く放課後の家路。

相変わらず、気怠い雰囲気の割には

綺麗な姿勢で歩く右隣の男に

いくら怪訝な視線を向けられようが

そんなのこと、もはや気にしない。


あっさりと消えさったキスマーク同様、

あの後の右崎の態度もあっさりとしたものだった。


「今日、ハナん家行っていい？」


ほらね。

こんな風に何事もなかったかのように

小首をかしげて問いかけてくる。

今日も右崎は我が家で夕飯を食べる気満々のご様子だ。


「右崎さ、うちんち来過ぎじゃない？」


実はこの男、結構な頻度で我が家に上がりこんでは夕飯を食べて帰っているのである。

一人暮らしの寂しいひとり飯よりは話し相手もいる分、何かと飽きないし、

なんだかんだで右崎といる時間は嫌いじゃないのだけれども。


「ハナん家って落ち着くんだよね」

「ていうか、明後日から中間始まるじゃん。

アタシだって一応勉強したいんだけど。」


悪いがアタシはお前ほど頭が良い訳ではないのだ。

うちに来たらこいつは絶対ゲームをし出すという自信がある。

そして、一緒になってゲームをしてしまう未来しか見えない。



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