ダウトゲーム【更新中】
しかし、


「せっかくだし、一緒に勉強する?」


文句を垂れていたら

そんなことを言われてしまい

心が揺らぐ。



「数学のわかんないとこ、教えてくれる?」


「いいよ。数学でも物理でもなんなりと」



そう言って、わざとらしく会釈をする右崎。

そして、

アタシはそんな右崎に

あっけなく心を許してしまうのだ。



「夕飯、何食べたいんだったっけ?」


「肉じゃが食いたい。あと玉ねぎの味噌汁。」


「あとあと、

ハーゲンのストロベリーチーズケーキ〜♡」


「なんでお前までリクエストしてんだよ」


「え。だって買ってくれるってこないだ言ってたじゃん!」


「俺がハナに勉強を教える代わりに、ハナが俺に夕飯作ってくれるっていうギブアンドテイクじゃない訳……?」


「え。だって買ってくれるってこないだ言ってたじゃん!」


「同じ台詞を繰り返すな。」


「大事なことはね、2回言うんだよ♡」




さあ、

はりきって勉強しましょうか。

足取り軽やかに横断歩道を渡る。



途中、

スーパーへと立ち寄り

諸々買い込みをしてから

アタシ達は我が家へと向かった。




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