別れたオトコと会う時は
『なぜ、若い男とやり直さなかったの?』


わたしは聞いた。


『子供もいるのよ。そんな苦労、かけられないわ。』


わたしはもう一つ、聞いた。


『遊びなら、そのままうまくやっていけばよかったのに。』


『…幸せに、なって貰いたくなったのよ…。』


『愛してた、のね…。』


わたしは「最後の質問」と小さく呟き、続けた。


『さっき言ってたけど…、好きなら、自分が納得いくまで別れないんじゃなかったの?』


『…7歳も年下の男に、縋り付けないわ。そんなの、悲し過ぎる。』


不器用な恋をしたカナコが、そこにいた一。





< 112 / 200 >

この作品をシェア

pagetop