別れたオトコと会う時は
わたしとカナコは緒方さんがキッチンに消えるのを見届けると、ユミに詰めよった。


『どういうこと?』


『…うん。』


はにかんで微笑むユミの返事の続きを、わたしとカナコは黙って待った。


『実は、赤ちゃんが出来て…』


『赤ちゃん?』


わたしとカナコが同時に言った。


『緒方さん、産んでいい、って。今…奥様と離婚調停中なの。』


あまりの展開に何を言っていいかわからないわたし達の様子を受けて、ユミがいきさつを話し始めた。


『この前、ハナとカナコと会った後、「別れよう」って決めたの。』




< 131 / 200 >

この作品をシェア

pagetop