別れたオトコと会う時は
『甘い!』


『ん…熟れてる。』


『おいしい。』


緒方さんが切った少しいびつな形のメロンを頬張り、わたし達は口々に感想を言った。


『この人、包丁を握ったの、初めてなのよ。』


ユミがからかうように緒方さんを見て、緒方さんはそんなユミに優しく微笑む。


『これから俺もいろいろ手伝わないとな。もう、ユミ一人の体じゃ無いんだし。』


ユミの瞳に幸せの涙が浮かぶ。


それを見たわたしもカナコも、嬉しさでいっぱいになる。


『緒方さん、ユミをどうか、よろしくお願いします一。』



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