別れたオトコと会う時は
『落ち着き?』


わたしはさっきのことを思い出して、苦笑いする。


『うん。本当、綺麗になった。』



松田くんがわたしをまじまじと見つめた。


『…ハイハイ、ありがと。』


『あ!本気にしてないでしょ?』


松田くんが拗ねた調子でわたしを見た。


『本当だよ。ハナちゃん、オレら同期入社の中で嫁さんにしたいナンバーワンだったんだぜ?』


わたしは呆れたように答える。


『だって、同期で入社して何年も一緒にいたのに、今さら…』


『いや、それはだから!』


松田くんが必死で言い訳しようとする。





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