別れたオトコと会う時は
ソファにアイツと二人きりになり、わたしは落ち着きを失ってソワソワした。


アイツは胸ポケットから煙草を取り出し火をつけると、


『松田の言うことは無視していいから。アイツ、しょーもねー。』


可愛がっている後輩の話を始めたアイツを見て、わたしは笑った。


『松田くん、変わってないね。』


『変わらなさすぎ、だろ。』


アイツは少し笑って、点けたばかりの煙草を乱暴に消した。


そして、さっきと同じ優しい笑顔でわたしを見た。



『ハナも、変わってない。』



< 158 / 200 >

この作品をシェア

pagetop