別れたオトコと会う時は
ドキンと胸が高鳴り、わたしは俯いた。


動揺しているのが自分でもわかる。


わたしは両手で顔を隠すように覆うと、


『…見ないで…歳、とったし。』


一言、返事した。


『…動揺するとそうやって顔隠すとこも、変わってない。』


アイツは懐かしそうに小さく言った。



そして何か思い出したように笑う。


『さっきも、すぐ「ハナだ」って解ったよ。』


わたしは恐る恐る聞いた。


『…さっき?』


『オレが此処着いた時、ハナ、あそこのガラス窓んとこにいたろ?』





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