別れたオトコと会う時は
『なんて…自分に言い聞かせてるんだけど』


ユミがペロッと舌を出す。


『ユミ、緒方さんと、なんかあったの?』


緒方さん…ユミより(わたしもカナコも同い年だが…)5歳上の、ユミの不倫相手だ。


『…変わらず。』


『ユミは今のままで、いいの?』


『…もちろんいつか別れる時が来ると思う。ううん、相手が好きだからこそ、早く別れなきゃ、とは思うの』


『好きなら…!!』


『ありがと、カナコ。でも、やっぱり、「結ばれない愛」を続けるのは、不毛だとしみじみ、思う。』


ユミが今にも折れそうな花のように、目を伏せる。




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