別れたオトコと会う時は

『アー！杉田先輩、何やってんすか！？』


受付を急いで終わらせたらしい松田くんが、わたしの手首を掴むアイツを咎めて言った。


『松田…お前、邪魔。』


『ズルイっすよ、先輩。奥さんに言い付けますよ？』


『一本、取られたね。』


わたしはクスクス笑いながら、するりとアイツの手から逃げた。



アイツの細長い左の薬指にキラリと指輪が光る一



アイツが「高校時代の同級生」と結婚していることは、今日の花嫁の奈津美ちゃんから聞いて知っていた一。




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