別れたオトコと会う時は
会場が暗くなり、ラブソングが流れ出す一。


『新郎、新婦の入場です。』


司会者のアナウンスと共に、みんなが会場の入口のドアに目をやる。



重そうなドアが開き、ドライアイスの煙の中に、新郎の腕に手を回した奈津美ちゃんの姿が見えた。



13年もの月日を乗り越え、今日、結ばれる二人だった。


スポットライトを浴びて幸せそうな笑顔を見せる二人を見て、思わず涙が込み上げる。


『あの二人…すごいよな。』


アイツもわたしと同じことを考えていたのか、わたしの思いを口にした。





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