別れたオトコと会う時は
何人かのスピーチや余興が終わり、いよいよわたしの番になった。


名前を呼ばれて、わたしは金屏風の横のマイクの前に立つ。


会場全体が静まり返り、みんながわたしを見る。


とたんに、緊張が走り、足が奮え出した。


一どう、しよう…?


一言葉が出てこない…。


あんなに練習したのに、と焦れば焦るほど頭の中が真っ白になる。


思わず泣きそうになったその時、


『頑張れ!!!』


アイツが叫んだ。


『ハナちゃん、頑張れ!』


続く、松田くんや同僚達の声。


奮えが、消えていく一。


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