別れたオトコと会う時は
『二次会…そう、二次会、遅れちゃうよ。』


『後で行くよ。』


アイツは答えながら、わたしに笑った。


あの、悪戯っぽい笑顔。


『まさか…。』


『おぅ。飲み過ぎて具合悪いって、嘘。』


アイツはわたしの膝の上からスーツの上着をひょいと取った。


『ハナと二人で少し話したくてさ。松田を先に行かせた。』


『…心配、したんだから。』


わたしが少し怒ったようにアイツに言う。


『ハナにも、また逃げられたら困るからな。上着預けた。』


また、悪戯っぽく笑うアイツをわたしはチラリと見た。



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