別れたオトコと会う時は
『…雨、弱くなってきたな。』


『…うん。』


わたしが窓に目をやった時、


『…ごめんな。』


不意に謝られて、わたしは驚いてアイツを見た。


『オレ、自分の子供を見てると、いつも思うよ。あの時、ハナとオレの子供が生まれていたらどんな子だったろう…って。』


遠くを見るように話すアイツを、わたしは見つめる。


『あの時も…ハナがオレから離れてどっか行ってしまいそうでさ、オレ、自分のことばかりでハナの気持ち考えてなかったよな。』


わたしは静かに首を振った。



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