別れたオトコと会う時は
愛されていた。


愛されすぎていた。


たくさんの愛を貰いながら、日々を過ごした。


自分を後回しにしても、わたしが望むことを叶えようとするアイツ。


そんなアイツを見ているうちに、わたしは自分の『望み』を言えなくなっていった。


一ワガママなわたしを、叱って欲しかった。


一きちんと、ケンカをしたかった。


そして、わたしはアイツに、


『別れたい』


最後にひとつだけ、自分の『望み』を、言った。


アイツは、深く傷つきながら、わたしの望みを叶えてくれた。


わたしは22歳。


アイツは25歳の秋だった。



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