別れたオトコと会う時は
会社の昼休み。


いつもの自動販売機のところに行くと、いつもの通り、アイツがいた。


アイツに近付く。


『話したいんだけど…いい?』


アイツは驚いた後、優しい笑顔で


『もちろん。』


と、言った。


『…』


何から話していいのか戸惑い、沈黙が流れる。


『ハナ。痩せたな。』


アイツが沈黙を破り、わたしは、


『妊娠、してるの。』


勇気を出して、一言、告げた。


驚いた表情で、わたしを見つめる、アイツ。


『わたし、産みたい。』


わたしは真っ直ぐ、アイツを見つめ返す。


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