別れたオトコと会う時は
『ハナの言いたいことは、わかった。』


ちくり、と胸が痛む。


『でもな、ハナ。』


アイツはわたしの頭にポンと手を置くと、


『子供のことを、考えてみないか?』


と言った。


『一人で産む、なんて悲しいこと言うなよ。オレの子供だろ?』


アイツは続ける。


『もう一度、やり直してみないか?俺も焦らないから、ハナもゆっくり自分の気持ち考えろよ。答えが出るまで、ハナの1番近くにいさせてくれよ。』


嬉しかった。


わたしは涙をポロポロ零しながら、小さく何度も頷いた。



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